米中首脳会談を終えてホテルを出る中国の習近平国家主席(右から2人目)=19日、リマ、益満雄一郎撮影
オバマ米大統領は19日、ペルーのリマで、中国の習近平(シーチンピン)国家主席と会談し、北朝鮮による核問題の解決に向けて協力を強めていくことで一致した。また、来年1月に発足するトランプ次期政権でも、両国の協力関係を続けていく必要性についても確認した。
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両者が首脳会談をするのは9度目で、今年だけで3度目になる。ホワイトハウスによると、1時間余り意見交換をした。習氏が退任間際のオバマ氏との会談を優先させた背景には、就任初日に中国を「為替操作国」に認定することを約束するなど、対中強硬発言を繰り返すトランプ氏を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。
最後の習氏との首脳会談となるオバマ氏は、米中関係が「世界で最も重要な二国間関係」と指摘。これまでの習氏との会談を振り返りつつ、気候変動やイラン核問題をめぐる合意で両国が果たした役割について改めて強調した。さらに核やミサイルを使った北朝鮮の挑発に一致して対抗していくことを確認した。
その上でオバマ氏は「建設的な米中関係はこれからも両国民や全世界にとって有益であると信じている」と語り、トランプ次期政権でも継承されていくことに期待感を示した。これに対し習氏も、トランプ氏の名指しはしなかったが、「両国の協力関係が円滑に引き継がれ、前進させていくことを期待している」と述べ、米次期政権とも協調したい考えを強調した。(リマ=峯村健司)