マレーシアのコンビニの商品棚には、グレープやマンゴー味のカルピスが並ぶ=10月、クアラルンプール、和気真也撮影
清涼飲料「カルピス」が、マレーシアの食卓に浸透し始めている。発売後1年ほどがたち、甘酸っぱい味わいに加えて、乳酸菌入りという点が健康志向の高まりにマッチして好評だ。東南アジアでは欧米メーカーの人気が根強く、アサヒグループホールディングス(HD)は、「カルピス」を足がかりに販売増を図る。
首都クアラルンプールのガソリンスタンドにあるコンビニ。冷蔵棚には一般的な味のカルピスのほか、グレープやマンゴー味が並ぶ。日本の「カルピスウォーター」のように、水で割らずにそのまま飲むタイプだ。店で商品買い付けを担当するモハメド・シャフィク・マナップさんは「マンゴー味が一番人気。月に5~6%増の勢いで伸びている」と話す。
アサヒはすでにタイなどでカルピスを販売しており、昨年12月、マレーシアでも発売した。製造・販売する子会社「エチカビバレッジズ」のウン・エン・チャン最高執行責任者(COO)は、「受け入れられる味を探るため、発売までに試飲を繰り返すなど約1年かけた」と話す。
東南アジアでの売れ筋に合わせて、日本の「カルピスウォーター」より甘さを強めにした。想定の2倍の売れ行きといい、ウンCOOは「健康志向の高まりが背景にある」。経済成長で増えた中間所得層は健康への関心が高く、「乳酸菌入り」という点が販売増につながっているという。
エチカは、米ペプシブランドの…