米民主党のシューマー上院院内総務とロシアのプーチン大統領との関係を批判した投稿=トランプ大統領のツイッターから
トランプ米大統領は3日、野党民主党幹部とロシアのプーチン大統領らが一緒の写真をツイッターに投稿し、「すぐに捜査を始めるべきだ」と訴えた。セッションズ司法長官が就任前にロシア大使と面会したと追及されたことに反撃したとみられるが、いずれも公の場で撮影されたもので、議論をすり替えた格好だ。
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投稿された写真には、民主党のシューマー上院院内総務がプーチン氏のそばでドーナツを手に談笑している様子が写っており、これを「完全な偽善者だ!」とツイート。これに対しシューマー氏はツイッターで、2003年に「メディアや公衆に丸見え」で撮影されたものだとし、「私は喜んでこれを宣誓証言するが、あなたとそのチームもそうしたらどうか?」とやり返した。
さらにトランプ氏は民主党のペロシ下院院内総務の写真も投稿した。政治ニュースサイトの記事を引用し、10年にロシアのメドベージェフ大統領(当時)やキスリャク駐米大使らと面会しているものだと指摘。「ペロシとロシアとの親密な関係とウソについて、シューマーに続く二つ目の捜査を求める」とした。
ペロシ氏は「(トランプ氏は)写真撮影される公の会合と、司法長官が偽証した密会の違いがわかっていない」と皮肉った。
トランプ政権とロシアとの関係をめぐっては、セッションズ氏が大統領選挙中にロシア大使と会っていたことを議会で説明していなかったとして追及されている。また、先月にはフリン前大統領補佐官が政権発足前に駐米ロシア大使と電話し、対ロ制裁について協議していたことが問題視され、辞任に追い込まれたばかりだ。(ワシントン=高野裕介)