ブルガリアからの報道によると、トルコとの国境に近い同国南東部ハルマンリの難民施設で24日、1500~2千人の収容者が外出禁止措置に抗議して暴動を起こし、警官隊と衝突した。AFP通信は、警官数人が負傷し、40人が逮捕されたとしている。
欧州連合(EU)とトルコは今年3月、ギリシャに密航船で渡った難民や移民をトルコ側に送還することで合意。このためギリシャを避けてトルコと陸続きのブルガリアに迂回(うかい)し、隣国セルビア経由で欧州を目指す人が増えた。しかし、夏以降はセルビアがEU加盟国の協力で対ブルガリア国境の警備を強化したため、多くがブルガリア国内にとどまるようになっていた。
現在ハルマンリの難民施設に滞在するのは、アフガニスタン人を中心に約3千人。人数が増えるにつれ、地元との緊張も高まっている。同国難民局によると、先週「伝染病が起きている」などとのうわさが広がって住民らが施設の閉鎖を求め抗議したという。その後出入り自由だった収容者を一時的に施設から出さないようにする措置がとられ、暴動につながった。
難民や移民は家具やタイヤに火をつけて抗議。警官隊に投石するなどした。警察は放水車を出動させた。(ウィーン=喜田尚)