自民と民主(現民進)の収入総額と自民への企業・団体献金の推移
2015年の自民党への企業・団体献金は約22億9千万円で、大型の国政選挙がなかったにもかかわらず、衆院選のあった14年より約8千万円(4%)増えたことが、25日の総務省公表の政治資金収支報告書でわかった。自民が政権復帰後、献金額は3年連続で増えており、「安倍1強」の安定感に対する期待があらわれた形だ。
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特集:政治資金
三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほフィナンシャルグループの3メガバンクが1997年以来、18年ぶりにそろって献金を再開し、2千万円ずつを納めた。金融危機による経営悪化で政府から巨額の公的資金の注入を受けたため献金を見送っていたが、06年に公的資金を完済。経団連の呼びかけを受け政治献金を復活させた。
経団連は、会員企業に対し、政治献金の呼びかけを14年に再開。法人税の実効税率の引き下げや原発再稼働など自民の政策を評価する形で、安倍政権との関係強化を進めている。過去10年間の自民への企業・団体献金は野党時代の11年(約13億2千万円)が最少で、その後は上昇傾向が続く。
自民の15年の収入総額は約262億8千万円(前年比10%増)。一方、最大野党の民主党(現民進党)は約94億2千万円(同21%増)。それぞれ14年衆院選で納めた供託金の返金もあり、収入総額が増えた。民主は09年衆院選で「企業・団体献金の禁止」を掲げて政権交代した直後の10年を最後に、企業献金は受けていない。15年は支持団体の連合から100万円の寄付だけを受けていた。
両党については、自民が党本部と政治資金団体「国民政治協会」、民主が党本部と政治資金団体「国民改革協議会」を合算した。(大城大輔、二階堂勇)