キューバの首都ハバナで28日、弔問のため革命広場前に並んだ女性は、フィデル・カストロ氏と、盟友だったベネズエラの故チャベス前大統領の写真を携えていた=AP
フィデル・カストロ前国家評議会議長が死去したキューバの首都ハバナで28日朝(日本時間同日夜)から一般市民の弔問が始まった。また全土で弔意を表す記帳が始まった。国家評議会は「革命の概念を守ることを誓う署名であり、社会主義を継続させる意志の表明となる」としている。トランプ米次期大統領がキューバの現体制に厳しい姿勢を示す中、精神的な支えを失った後の体制固めの側面もありそうだ。
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弔問場所であるホセ・マルティ記念館に向けて、革命広場には市民の長い列が延びた。弔問は29日正午まで受け付けられる。
フロラ・イルダ・マトス・ドミンゲスさん(72)はヒマワリの花を携えて列に並んだ。涙を流しながら、「父が死んだより悲しい。フィデル氏は偉大だった。私たちのために闘ってくれた」と話した。ヒマワリのように、フィデル氏の志が明るく世界を照らしてほしいと願う。
フアン・オヒートさん(71)は、「フィデル氏は、国のために多くのことをしてくれた。キューバは私が生まれた時と比べて、全く違う国だ」と、沈痛な面持ちで語った。オヒートさんの家族は、貧しい農家の出身だったが、革命のおかげで兄弟はみな、教育を受けられた。「フィデル氏の肉体はほろんだが、精神は生き続ける」と話した。
ハバナ市民はカリスマの死に様々な思いを抱いた。
「フィデル氏の思想は、全ての…