戦没・殉職船員追悼式に参列した祖母の飯田尚世さんを撮影する松本日菜子さん=5月、神奈川県横須賀市、中野晃撮影
太平洋戦争中に徴用されて軍属となり、戦死した商船員の曽祖父。生前を知る人たちを訪ね歩き、その姿に迫ったドキュメンタリー映画をひ孫の女子大学生が作った。「軍属だったひいおじいちゃん」。映画は今夏、大阪・阿倍野の映画祭で最優秀作品賞に輝いた。
映画を制作したのは、上智大文学部新聞学科2年の松本日菜子(ひなこ)さん(21)=東京都。祖母の飯田尚世(ひさよ)さん(79)=同=の自宅に飾られた古びた白黒写真が幼いころから気になっていた。尚世さんの父で、36歳で戦死した曽祖父・眞柳照乎(まやなぎてるお)さんの遺影だった。
照乎さんは神戸高等商船学校(現・神戸大海事科学部)を卒業後、大連汽船に入り、よく外国航路にも出かけた。神戸の自宅では洋楽のレコードを聴き、娘の尚世さんを喫茶店に連れて行くハイカラな父だった。
だが、照乎さんは1941年1…