囲碁名人就位式で允許(いんきょ)状を披露する高尾紳路名人=2日午後、東京都文京区、堀英治撮影
第41期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)を制した高尾紳路名人(40)の就位式が2日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で開かれ、来場した約550人のファンから盛大な拍手が送られた。
高尾新名人は、史上初めて七大タイトルを独占していた井山裕太前名人(27)に2年連続で挑戦。3連勝3連敗で迎えた最終局に勝つ劇的な展開で10期ぶり2度目の名人獲得を果たした。
あいさつで「棋士人生で忘れられない七番勝負になったが、勝てたのは大きな幸運と大きな奇跡が重なっただけ。今の実力ではもう一度井山さんに勝てと言われても無理。もっと強くなれるよう、これまで以上に精いっぱい精進していきたい」と語った。
式では日本棋院の団宏明理事長から「允許(いんきょ)状」が手渡され、朝日新聞社の渡辺雅隆社長から賞金3300万円の目録が贈られた。また、今月開幕の第42期挑戦者決定リーグ戦に参加する井山前名人ら9人が壇上に立ち、挑戦権をかけた戦いへの決意を表明した。(大出公二)