トルコのユルドゥルム首相は1日、首都アンカラで会見し、自身が党首を務める与党・公正発展党(AKP)が来週、憲法改正案を国会に提出すると発表した。改正案の詳細については言及しなかったが、現行憲法では象徴的存在に過ぎない大統領の権限を、大幅に強化する内容になるとみられる。
現行憲法では、大統領は国家元首として政治的中立を求められ、政党を離党し、国会議員も辞職しなければならない。エルドアン大統領も2014年夏に当選後、AKPを離党した。ユルドゥルム氏は会見で「大統領と党の関係は続く。重要な変更はこれだ」と説明した。
憲法改正には、国会議員(550議席)の3分の2(367)以上が賛成し、大統領が支持すれば可能。3分の2に届かなくても、5分の3(330)以上の賛成で大統領が国民投票にかけることができ、過半数の賛成で可能になる。
AKPは現在317議席。改正には野党の協力が不可欠だ。この日の会見には野党第3党の極右政党「民族主義者行動党」(MHP、40議席)のバフチェリ党首も同席し、同党が支援する姿勢を明らかにした。MHPの協力を得られれば国民投票は可能で、ユルドゥルム氏は17年夏に実施される見通しを示した。(イスタンブール=春日芳晃)