1日のテレビ演説で、来春の大統領選に立候補しない考えを表明するオランド仏大統領=AP
フランスのオランド大統領は1日、来春の大統領選に立候補しない考えを表明した。失業問題への対応などから支持率低迷が続き、与党・社会党内も割れていることから、再選断念に追い込まれた。最大野党・共和党、右翼・国民戦線(FN)が勢いをみせる大統領選に向け、与党の候補選びはなお混迷しかねない。
オランド氏は大統領府(エリゼ宮)から国民向けに演説し、「私が立候補に動いても、力を結集できない。再選を目指さないと決めた」と説明した。大統領が強い権限を持つ、1958年からの「第5共和制」で現職が再選を目指さないのは、病死したポンピドゥー氏をのぞいて初めて。
オランド氏は、雇用の確保を政権の重要課題としてきた。失業率は改善の傾向にあるものの、いまも10%近い水準にあり、「結果が出るのが遅れている」とした。また、昨秋のパリ同時テロの後、治安対策のためにテロ関連などで有罪となった二重国籍者の仏国籍剝奪(はくだつ)を打ち上げて断念したことも、「社会の団結ではなく分裂を生んだ。唯一の後悔だ」と語った。
仏大統領選は2017年4月に…