天皇杯に向けて練習を再開した選手たちを見守るエリク・モンバエルツ監督(右)=横浜市港北区
サッカーJ1の横浜F・マリノスが揺れている。ベテラン選手に対する大幅な減給の提示や監督の留任に選手らが反発。元日本代表のMF中村俊輔選手(38)に他クラブから獲得のオファーが届くなど、主力選手の流出も懸念され、サポーターが気をもんでいる。
「とにかく、今、一番大事なのは俊輔選手。来年も契約は残っているし、クラブとしては絶対に残ってもらいたい」。11月28日午前、横浜市港北区の練習場で報道陣の取材に応じた利重孝夫・チーム統括本部長はこう力を込めた。
発端は11月上旬。3年連続で全試合にフル出場した元日本代表DF中沢佑二選手(38)やDF栗原勇蔵選手(33)といったベテラン選手に対し、年俸の大幅な減額が示されたとスポーツ紙などが報じた。
功労者の扱いとして不当だといったサポーターの声がインターネット上に渦巻き、長谷川亨社長は11月11日、ウェブサイトで「多大なご心配と不安をおかけし、まことに申し訳ございません」と異例の声明を発表した。
さらに関係者によると、同21日にフランス人のエリク・モンバエルツ監督(61)の続投が発表されると、一部の選手らが「理由を説明してほしい」などと反発。中村選手ら中心選手に他クラブからオファーが届くなど、クラブは対応に追われた。
背景の一つには、2014年から資本提携を結んでいるシティ・フットボール・グループの存在がある。マンチェスター・シティーなどを経営し、監督人事などのチーム編成にも影響力を持つとされる。
今季の成績はリーグ連覇を果たした2004年以降で最低の10位(13勝12分け9敗)。モンバエルツ監督は若手選手の能力を引き出す指導力などは買われているが、監督を選んだフロントと一部の選手の間には溝があるという。
リーグ戦は終了したが、今月2…