パリで5月、国民議会に出席するフランスのバルス首相=AFP時事
フランスのバルス首相(54)は5日、来春の大統領選に立候補すると表明した。首相の職を6日に辞任したうえ、与党・社会党など左派が1月に開く予備選に出る。大統領選は最大野党・共和党と右翼・国民戦線(FN)が先行しており、社会党が第1回投票で敗退せぬよう「左派の力を結集したい」とした。
自身の選挙区であるパリ郊外で演説し、「大統領の座に向けて立候補する。国のために全力を尽くす」とし、失業を減らすことを優先課題にあげた。社会党は2002年、FNに後れをとって大統領選の決選投票に進めなかったトラウマがある。バルス氏は党内の亀裂を認めたうえで、「左派を結集させるのが私の責任だ」とした。
党内では、支持率が低迷するオランド大統領が再選を断念する一方で、反オランド派の元経済相らが予備選に名乗りを上げている。バルス氏は有力好捕の一人だが、「党内のタカ派」とされ、オランド氏のもとで内閣を率いたことも攻撃材料にされる可能性がある。(青田秀樹)