カレーチェーン「CoCo(ココ)壱番屋」を展開する壱番屋から廃棄を委託された冷凍ビーフカツを横流ししたとして、詐欺罪などに問われた産業廃棄物処理業者「ダイコー」(愛知県稲沢市)会長の大西一幸被告(76)の論告求刑が7日、名古屋地裁であった。
特集:廃棄カツ横流し
検察側は「社会に衝撃を与え、食品の安全性に疑念と不安感を抱かせた」と述べ、大西被告に懲役3年6カ月罰金100万円、会社に罰金50万円を求刑。弁護側は執行猶予付き判決を求め、結審した。
横流しに加担したとして「みのりフーズ」(岐阜県羽島市)の元実質的経営者岡田正男被告(79)ら2人も詐欺罪などに問われており、岡田被告の論告求刑公判は同日午後に開かれる。
検察側はこれまでの公判で、産廃処理の委託契約を壱番屋と結んでいたダイコーが、2013年末から異物混入の疑いがあるカツを受け入れ、壱番屋に「処分した」とうその報告をしたと指摘。14年初めに、カツの存在を知った岡田被告から「カツを売りたい」との申し出を受けた大西被告は、領収書を残さないなどの取り決めをしたうえで、岡田被告への横流しを始めたとしている。
このほか、昨年12月、消費者が店頭で買った冷凍カツから異物が見つかっていたことも明らかになった。
大西被告は昨年8~11月、処分委託された冷凍カツ約6万枚を「処分した」と虚偽報告し、壱番屋から約28万円をだまし取ったほか、食肉販売の許可がないのに、岡田被告に計約5万枚を約150万円で売ったとして起訴された。