九州電力の川内原発。手前から1号機、2号機=8月、鹿児島県薩摩川内市、朝日新聞社ヘリから、小宮路勝撮影
定期検査で停止中の九州電力川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)が8日夜に原子炉を起動し、運転を再開する。九電が7日、発表した。鹿児島県の三反園訓知事は再開を事実上容認しており、九電の計画通りに進む見通しだ。再開後に問題がなければ、来年1月上旬にも定期検査を正式に終えて営業運転に移る。
川内1号機再開、事実上容認する姿勢 鹿児島知事
特集:川内原発
川内1号機は10月6日から、原子炉等規制法に基づく定期検査に入り、運転を止めていた。東日本大震災後の新規制基準のもとで再稼働した原発が、定期検査での停止を経て運転を再開するのは全国で初めてになる。
九電によると、8日午後9時半ごろに原子炉を起動する。11日午後にも発電を始める予定だ。その後も検査が続き、原子力規制委員会から定期検査を終える了承を得られれば、1月6日に営業運転を再開する予定。九電の原発では、代わって川内原発2号機が今月16日から定期検査に入る予定だ。
川内原発は、三反園知事が8~9月に2度、即時停止を九電に要請したが、九電が拒否した。予定通りに運転を続けて定期検査に入ったが、停止後の運転再開についても三反園知事は、「私がどう対応をとろうとも、九電は稼働させていくことになる」と事実上の容認姿勢に転じた。知事選で公約した、安全性を検証する県独自の第三者機関の設置議案も、県議会での採決は16日の予定だ。地元では脱原発を主張する県民らから批判が強まっている。(柴田秀並)