来年4月の合併を延期した出光興産と昭和シェル石油が、互いに20%程度の株式を持ち合う資本・業務提携を検討していることが7日分かった。出光創業家の反対で難航する合併に先行して関係を強化し、製油所の共同運用などの提携効果を得る狙い。だが、創業家が強く反発するなど、実現には課題も多い。
両社は、合併に向けて公正取引委員会の審査を受けており、年内にも結論が出る見通しだ。出光は、公取委の承認を得た後に、英・オランダ系のロイヤル・ダッチ・シェルから昭和シェル株の33・3%を買い取ることを計画している。
だが、前提となる合併の時期が見通せないため、資本・業務提携を先行させる案が浮上。関係者によると、昭和シェルが出光株の20%程度を取得する一方、出光は予定通り33%超の昭和シェル株を買い取った後、その一部を信託銀行に預けて議決権を20%台に減らす案を検討しているという。出資比率が25%以上になると、昭和シェルが出光に対して議決権を行使できず、対等な関係にならないためだ。
この案なら株主総会の議決が不…