同居女性(18)の長男(1)に暴行を加えて重傷を負わせたとして、奈良県警は8日、同県天理市川原城町のアルバイト作業員橋本和馬容疑者(21)を傷害容疑で逮捕し、発表した。「暴力を振るったことは一切ありません」と容疑を否認しているという。
捜査1課によると、橋本容疑者は9月12日未明、女性宅で当時1歳8カ月の長男の頭部に暴行を加え、急性硬膜下血腫の傷害を負わせた疑いがある。今夏から女性宅で同居し、女性は仕事に出て不在だった。長男に意識はあるが、退院の見通しは立っていない。
橋本容疑者は同日午前3時10分ごろ、長男に発熱と呼吸困難の症状があると119番通報。搬送先の医師らの所見では、診察の2~3時間前に激しく揺さぶられて脳が損傷を受ける「乳幼児揺さぶられ症候群」の可能性がある。長男の体には複数のあざがあり、同課は日常的な虐待がなかったかも調べている。
天理市などによると、9月9日に長男が通う認定こども園から「傷がある」と連絡があり、市家庭児童相談室の職員が肩や額に打ち身のような痕を確認。母親は保育士に「机で打った」と説明し、市などが様子を見ることにしたという。県中央こども家庭相談センター(児相)は事件当日に消防から虐待の疑いがあると通告を受けるまで把握していなかった。