引退を表明したボクシングの長谷川穂積=9日午後1時4分、神戸市中央区、小林一茂撮影
プロボクシングの世界3階級王者、長谷川穂積(35)=真正ジム、兵庫県西脇市出身=が9日、現役引退を表明した。神戸市内で記者会見し「心と体を一致させて、前回チャンピオンになれた。戦う理由もなくなった」と話した。保持している世界ボクシング評議会(WBC)スーパーバンタム級王座は返上する。
1999年にプロデビューした長谷川は、2005年4月にWBCバンタム級タイトル戦で、当時14連続防衛中のウィラポン(タイ)を破り王座を奪取した。5年間にわたって積み重ねた10連続防衛は当時の日本歴代2位記録。左の強打と卓越した防御技術で数々の強豪を下し、「日本のエース」と呼ばれた。
10年11月に同フェザー級、今年9月には同スーパーバンタム級のタイトルを獲得して日本男子で4人目となる世界3階級制覇を達成した。35歳9カ月での世界王座奪取は国内男子の最年長記録となった。
一方、激しく打ち合うスタイルのため顔や足に度々大けがを負い、近年はダメージの蓄積を心配する周囲から引退を勧める声があった。