東京電力福島第一原発事故で福島県から川崎市に自主避難した男子生徒が、転校先の川崎市立中学校でいじめを受けたと訴えていることがわかった。生徒は昨年、中学校を卒業、高校に進学しているという。
神奈川県内への避難者を支援している弁護団によると、男子生徒は2011年、小学校6年生の時に同市内に自主避難、翌年、同市立中学校に入学した。15年3月に卒業するまでの間、同級生1人から「福島県民はばかだ」「福島県民は奴隷だ」などと言われ、「近づくな」と避けられた上、たたかれたり蹴られたりした。
男子生徒と保護者が学校に相談したが、同級生はいじめを否定。男子生徒は一時期、不登校になった。男子生徒の母親は「つらいことが多数あったが、周囲の理解のある方々の支えもあり、何とか中学を卒業した」と話しているという。
市教育委員会の調査では、避難者が現在いじめを受けていたり、指導中だったりする事案は確認されていなかった。今回の訴えについて、14日から確認作業を始めたという。