ブルックリン・ブルワリーのエリック・オッタウェイCEO=東京都中野区のキリンホールディングス本社
米クラフトビールメーカー「ブルックリン・ブルワリー」のエリック・オッタウェイCEO(最高経営責任者)が15日、朝日新聞の取材に応じ、来年2月から、提携するキリンビールの滋賀工場(滋賀県多賀町)でビール生産を始めることを明らかにした。当面は料理店向けを中心に販売し、日本独自の商品も開発していく考えを示した。
両社は10月に資本提携した。来月、クラフトビールの生産販売会社を共同で設立。滋賀工場では、かんきつ系の香りが特徴の主力商品「ブルックリン・ラガー」を生産する。将来的に商品の種類を増やす考えで、オッタウェイ氏は「日本のフルーツやスパイスを使った商品も開発したい」と話した。
2016年の国内クラフトビール市場は約4万7千キロリットルと推定され、5年前の約1万4千キロリットルから3倍超に拡大。オッタウェイ氏は「一時的なブームにしたくない」と話し、数年はスーパーやコンビニでは販売せず、創作料理店を中心に広めるという。1年目は500キロリットル程度の販売を目指す。
世界的にクラフトビール人気が拡大している理由を、オッタウェイ氏は「スマートフォンなどで飲みたいものを探すのが当たり前になった消費者の行動変化がある」と分析。フェイスブックやインスタグラムといったSNSを活用し、消費者に商品の魅力をアピールしていく考えを示した。(和気真也)