女川産ギター「SWOOD(ソード)」の第1号機。「sword(剣)」と「wood(木)」を合わせて命名した=17日午後、宮城県女川町、福留庸友撮影
東日本大震災で壊滅的な被害を受けた宮城県女川町で作られるエレキギターの販売が17日始まり、第1号機が、工房のある町中心部の商店街で披露された。
購入したのはヘビーメタル好きの須田善明町長(44)。ギターを製造した「セッショナブル」の梶屋陽介社長(33)のたたくドラムに合わせその場で演奏した。
女川産ギターには「ルックスも音質も革新的に」(梶屋社長)とのこだわりが込められている。通常はボルトで留めるギター本体とネックを、三陸沿岸に伝わる宮大工技術「気仙大工」の木組みでつなげた。また、弦を留めるテールピースには岩手県釜石市の会社で作るコバルト合金を採用。きれいな低音を響かせ、近年の演奏者から好まれる音質に仕上げた。町外から移住してきた20代社員の職人3人が「気仙大工」以外の製造を手がけている。
演奏後、須田町長は「(音に)感激した。海を越えてユーザーに届くかも知れない。女川になかった産業をみんなで応援したい」とエールを送った。
梶屋社長は「『作っている場所を見てみたい』とか、『女川で弾いてみたい』とか、ギターを切り口に復興に貢献できるのかな」と話した。
ギターは「SWOOD(ソード)」と名付けられ、重さ4・2キロ、スケールは646ミリで、価格は税込みで36万7200円。カラーは2月15日に公開予定の7色から選べる。予約は電話(022・393・4540)とホームページ(
https://glide-guitar.jp
)の両方で受け付け、来年3月末ごろから予約順に出荷を開始する。(福留庸友)