市議会閉会に合わせてあいさつする藤井浩人市長=岐阜県美濃加茂市
受託収賄罪などに問われ控訴審で逆転有罪判決を受けた岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長(32)=上告中=は19日、市議会で「あすから市長不在となる」と辞職のあいさつをした。市長選は来年1月22日告示、投開票は同県知事選と同じ29日。今のところ、再選をめざす藤井市長のほかに立候補の動きはない。
同市議会は19日が最終日。藤井市長の辞職は同日付で、20日から海老和允副市長が市長職務代理者になる。
藤井市長はこれまで控訴審判決を「不当判決」と批判し、市民の信を問う考えを強調してきたが、辞職あいさつの中では、判決や市長選には触れなかった。
藤井市長の任期は来年6月1日までだった。藤井市長が出直し選で再選されると任期は変わらず、5月には任期満了に伴う市長選がある見通し。仮に有罪が確定した時点で藤井市長が在職していると、その時点で失職し、市長選が実施される。
藤井市長は2013年に初当選。同市議時代に浄水設備導入をめぐり30万円を受け取ったとして、14年6月に逮捕された。15年3月の一審・名古屋地裁判決は無罪だったが、名古屋高裁は今年11月、懲役1年6カ月執行猶予3年、追徴金30万円の逆転有罪判決を言い渡した。(松下和彦)