給食を前に手を合わせる子どもたち=三重県鈴鹿市立愛宕小学校
三重県鈴鹿市は20日、野菜価格の高騰を理由に、いったん中止を決めた市立小学校と幼稚園の給食を提供した。末松則子市長が「中止は拙速」などとして、20日と来年1月12日の給食を取りやめるとした市教育委員会の方針を撤回していた。
市立愛宕小学校の4年A組では、児童28人が2学期最後の給食を食べた。献立は、タマネギやニンジンをトマトで煮込んだ料理や、ゆでた市内産キャベツを使ったサラダなど。樋口拓海君(10)は「給食が一番の楽しみ。量は減ってもいいけど、回数が減るのは嫌だなあ」。市の給食問題はテレビのニュースで知ったという。
市教委は10月下旬、市立の30小学校と13幼稚園で2日分の給食の中止を決定。だが、末松市長が撤回し、20日と来年1月12日は通常の給食とし、3月10日に災害を想定した炊き出し訓練をして備蓄食を提供することに改めた。市教委によると、20日の給食は豚肉の代わりに鶏肉を使い、児童1人当たり約4円節約したという。
鈴鹿市はこれまで予算が厳しくなっても献立を変えなかったが、来年度からは柔軟に対応する方針だ。食材も安く調達できるように工夫するという。市内約1万2千人の幼稚園児、小学生と保護者にアンケートも実施。給食の満足度や、食材選びで優先すべき点について尋ねた。来年1月中に集約し、献立や食材に反映させる。(国方萌乃、吉野慶祐)