立ち入りが許可され、住民同士がお互い拳を合わせ励まし合う姿も見られた=24日午前、新潟県糸魚川市、長島一浩撮影
新潟県糸魚川市の大規模火災で、死者は出なかった。けが人は、消火活動中の消防団員9人のほかは住民女性2人にとどまった。いずれも煙を吸ったり、避難中に転倒したりと比較的軽いけがだった。防災行政無線の定着や地域の強い結びつきが、人的被害が大きくなるのをくい止めた。
特集:糸魚川大火
22日午前10時半ごろにラーメン店から出火した直後、防災行政無線が火災を知らせた。その後、避難勧告や延焼の危険があるという情報も何度も流れた。
アナウンスの前には火災発生を意味する「ピンポン」という音が3回鳴った。大町2丁目で菓子店を営む小池昭夫さん(70)は「普段から3回鳴れば夜中でも気づく」。防災無線は屋外にあるスピーカーだけでなく、希望者が5千円で設置できる戸別受信機があり、市内のおよそ半数に普及しているという。
地域のつながりも役に立った。…