川原町商店街の飲食店2階では棚にあった皿が床一面に落ち、店主が片付け作業に追われていた=2018年6月18日午後2時45分、大阪府枚方市、小林一茂撮影
大阪府北部のベッドタウンを襲った地震。家屋が全半壊するような被害は目立たないものの、激しい揺れで家財が「凶器」になって負傷するなどけが人は300人以上にのぼった。
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震度6弱を観測した大阪府茨木市では1人が死亡したほか、62人の負傷者が救急搬送された。市消防本部によると、自分で病院を受診している人も多くいるとみられ、けが人はさらに増える可能性があるという。
市消防本部の通信指令室には18日朝から「家族が落下物で頭を打った」「転倒して足の骨を折ったようだ」「イスから転んでけがをした」などの119番通報が400件以上寄せられた。普段の通報件数は24時間で100件程度という。
消防本部の担当者は「市内の10台の救急車がほぼ出動したきりになっている。熊本地震などを教訓に訓練を重ねてきたが、こんなことは初めてだ」と話した。市では要介護者約3500人と障害者約3100人の状況の確認も進めている。
大阪府内で同じく震度6弱の箕面市では、倒れた家具の下敷きになったり、ベッドから転落したり、本棚から落ちた本で頭を打ったりして、60代女性3人ら計8人が骨折や打撲のけが。同府池田市では46歳の女性が転んで右上腕部を骨折、58歳の女性が地震に驚いてベッドから下りた際、左足首の骨が折れた。
一方、京都府向日(むこう)市の京都向日町競輪場では、3階の特別観覧席の大型ガラスが割れて飛び散った。けが人はないが、19~21日の計36レースが中止になった。