糖尿病のマウスに遺伝子の働きを抑える「マイクロRNA」という分子を注射して血糖値を下げることに東北大のチームが成功した。血糖値を下げるインスリンを分泌する膵臓(すいぞう)の細胞が再生されたという。糖尿病の新たな治療法につながる可能性がある。
国際医学誌イー・バイオメディシン(電子版)に発表した。
糖尿病は、主にインスリンを分泌する膵臓の「β細胞」の数が減り、十分なインスリンを分泌できなくなって起きる。いったん減ったβ細胞を増やすのは難しいとされてきた。
山田哲也准教授(糖尿病内科)らは、白血病などの治療で使われる骨髄移植で糖尿病が改善するという報告に注目。骨髄移植後に血中濃度が高まる約40種類のマイクロRNAから、β細胞の再生を促す働きのある2種類を特定した。マイクロRNAは、20個程度の塩基からなる小さなRNAで、遺伝子の働きを抑制する役割があり、マウスで約1千種、ヒトでは約2千種が知られている。
薬でβ細胞を殺して糖尿病にし…