青森山田のマネジャー黒田凱さん(手前)と抱き合う、父で監督の黒田剛さん=角野貴之撮影
サッカーの第95回全国高校選手権決勝で9日、前橋育英を5―0で破り、青森県勢として初めて頂点に立った青森山田。3年生の黒田凱(がい)さん(18)は「父さんを優勝監督にしたいという気持ちは誰よりも強かった」と、チームを率いて22年になる父、剛監督(46)との悲願達成を喜んだ。
青森山田が初優勝、前橋育英破る 全国高校サッカー
幼い頃から、サッカー部のバスに同乗して遠征先について行ったり、J1鹿島アントラーズの柴崎岳選手(24)ら後にプロになる部員に遊び相手になってもらったりした。年末年始は、母ゆかりさんや妹の妃李(きり)さんと、全国選手権の応援に駆けつけるのが恒例だった。「青森山田は家族と同じような存在だった」と話す。
父は盆も正月もなく部員と過ごした。チームを全国屈指の強豪に育て上げることで、支える家族の思いに応えてくれた。就任4年目に長男の自分が生まれて以来、全国選手権の出場は一度たりとも逃さなかった。2009年度には準優勝を成し遂げた。
その過程を間近で見て、自然に…