トヨタのヤリスWRC参戦車両(トヨタ提供)
チューニングパーツで走行性能を高めたり、内外装を派手にドレスアップしたりする改造車の祭典「東京オートサロン」が13日、千葉・幕張メッセで始まる。国内外のメーカーやチューニングショップなど400社超による個性的なカスタマイズがお披露目される。
東京オートサロンは、1983年に「東京エキサイティングカーショー」としてスタート。国内市場で市販車の販売台数が頭打ちになる中で、峠やサーキットでの走行性能向上にこだわる走り屋系や、高級セダンに派手で豪華な装飾を施すVIP系、といったカスタマイズ趣向の多様化によって規模の拡大が続いている。昨年は30万人超が来場し、世界最大級の改造車ショーとなっている。
若者のクルマ離れ対策として、近年は主要メーカーも出展に力を入れる。今回も、同時期に米デトロイトで開催される北米国際自動車ショーで高級セダンなどの新型車を世界初公開する一方、東京オートサロンでは、より身近な既存車種をベースにしたカスタム車両が並びそうだ。
トヨタは、系列チューニングブランドがそれぞれ出展。ガズーレーシングからは量販小型車ヴィッツの海外仕様「ヤリス」による世界ラリー選手権(WRC)参戦車両や、人気ハイブリッド車(HV)アクアの公道向けスポーツ仕様「TGRコンセプト」を出展。また、モデリスタからは、昨年発売したSUV(スポーツ用多目的車)のC―HRにLEDランプをふんだんに用いたドレスアップ仕様などを用意する。
ホンダは、ミッドシップスポーツS660を渋い外装色とレザーシートで「オトナ仕様」にしたという「ブルーノ レザーエディション」、2014年から始まったN―ONEワンメイクレースの参戦仕様車などの軽乗用車のほか、ステップワゴンやフリードといったミニバンのドレスアップ仕様も出展する。
日産は、生誕60周年となるスポーツセダン・スカイラインにカーボンパーツをあしらい重厚さを増した「プレミアムスポーツコンセプト」や、昨年11月に日産車として30年ぶりの国内販売台数首位となった新型ノートのHVに専用サスペンションなどを組み込んだスポーツ仕様「e―POWER NISMOバージョン」などをそろえる。
マツダは、2月に国内発売する新型CX―5のドレスアップ仕様を早くも用意。20インチの大径アルミホイールで迫力を増している。また、1989年発売の初代ロードスターのイメージ色だった鮮やかな赤で現行モデルをカラーリングした、クラシックレッド塗装モデルも出展する。
ダイハツは、伊デ・トマソ社とコラボした往年の小型車シャレードをほうふつとさせる、赤と黒のツートーンカラーで統一した「スポルザ」シリーズや、アメリカ西海岸をイメージしたような淡い木目をあしらった「ビーチ クルージン」シリーズをそろえる。
開催は1月15日まで。13日は事業者・報道陣向けと一般特別公開。14、15の両日は、入場料(当日券)が大人2200円、中高生1700円。期間中はパレード走行やミニライブなどの催しがある。