大阪府泉大津市のコンビニエンスストアで現金1万円を盗んだ罪に問われ、無罪が確定した男性(25)が国と府に計1067万円の国家賠償を求めた訴訟で、大阪地裁(菊地浩明裁判長)は13日、「逮捕・起訴が違法なものとはいえない」と判断し、男性の請求を退ける判決を言い渡した。
男性は2012年6月にレジの現金を奪ったとして強盗容疑で逮捕、窃盗罪で起訴された。入り口の自動ドアから検出された男性の指紋が有力証拠となったが、初公判後に開示された防犯カメラ映像で、ドアに触れたのは事件5日前だったことが判明。大阪地裁岸和田支部は14年7月、無罪判決を言い渡した。
国賠訴訟の判決は、判例を踏まえ「無罪確定で、ただちに逮捕や起訴が違法とはならない」と指摘。店員がドアを清掃したのは事件4日前だったことから、警察や検察がそれ以前の映像を確認していなかったとしても「通常要求される捜査」は逸脱していないと判断。犯人と疑う合理的な根拠があったと結論付けた。
男性は判決後に会見し、「無罪が出ても、裁判所は逮捕が間違っていなかったと言っている。憤りを感じる」と話し、控訴する考えを明らかにした。