12日、タイ南部ナコンシータマラート県の小さな村で、住民らが建物近くまで押し寄せた洪水の爪痕を見つめていた=AFP時事
年明けからタイ南部で異例の豪雨が続き、洪水被害が広がっている。同国内務省によると、12日までに36人が死亡、約40万世帯120万人が被害を受けた。予報では強い雨が来週にかけても断続的に続く見通しで、政府は軍部隊も投入して被災者の救助や被害拡大の防止にあたっている。
同省災害防止軽減局によると、被害が出ているのは南部のナコンシータマラート、ソンクラー、スラタニ、クラビなど12県。道路や住宅が水につかり、土砂崩れが各地で発生している。交通網は寸断され、ナコンシータマラート空港は年初から13日夕まで閉鎖された。
観光や農業などに広く被害が及ぶおそれがある。主要経済団体の推計では、損害額は100億~150億バーツ(約323億~484億円)に達しそうだという。
タイ南部、特にマレー半島東岸はバンコクなどに比べて雨期の始まりと終わりが遅く、いまは雨期明けの時期。今年は降雨が長引いているうえ、雨量が平年を大きく上回っている。(バンコク=大野良祐)