トランプ次期米大統領=AP
トランプ次期米大統領から性的嫌がらせを受けたと名乗り出た女性の一人が、「事実を否定する虚偽の発言で名誉を傷つけられた」として17日、トランプ氏を相手取ってニューヨークで訴訟を起こした。トランプ氏に対して謝罪と発言の撤回などを求めている。
特集:トランプ次期米大統領
訴訟を起こしたのは、トランプ氏が司会を務めていたテレビ番組「アプレンティス」に出演していたサマー・ザーボスさん。「複数回にわたってトランプ氏から無理やりキスされ、体を触られた」と昨年公表したが、トランプ氏が「完全なウソだ」などと否定したことで、名誉を傷つけられたとしている。トランプ氏が性的嫌がらせの事実を認めて謝罪すれば、訴訟は撤回するという。
ザーボスさんの弁護士は提訴によって、トランプ氏が宣誓して供述しなければならない局面も起きると指摘。「正しく証言すれば問題ないし、虚偽の証言をすれば結果が伴う」と語った。大統領の宣誓供述をめぐっては過去に、セクハラをしたとして訴えられたクリントン元大統領が偽証をしたとして、米議会での弾劾(だんがい)裁判につながった。
トランプ氏については昨年の大統領選中に、複数の女性が性的嫌がらせを受けたと告発した。トランプ氏は「すべてウソだ」と否定し、選挙が終わったら提訴すると主張していたが、これまでに訴訟は起こしていない。(ニューヨーク=中井大助)