名古屋市内のアパートで2014年に女性(当時77)を殺害したほか、12年には同級生2人に「硫酸タリウム」入りの飲料水を飲ませたとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われている元少女(21)の裁判員裁判が19日、名古屋地裁であり、殺人事件の審理が行われた。被告人質問で元少女は「人を殺さない自分になりたいと思うようになった」と今の心境を述べた。
元少女側、無罪を主張 精神障害理由に タリウム事件
戻らぬ妻、探偵雇い…捜査動かした夫 元少女の初公判
元少女は精神鑑定の期間中に投薬治療を始めたといい、「気分の波が穏やかになった」と供述。一方で「人を殺したいという考えが浮かぶが、頻度は減った」「人を殺さない自分になりたいのに、人を殺す夢を見ると絶望感を覚える」と述べた。
元少女は19歳の名古屋大学1年生だった14年12月、自宅アパートで森外茂子(ともこ)さんを殺害したとされる。この日の公判で、動機について「人が死ぬところを見たかった」と供述。殺害後に「遺体の断面を見たい」とノコギリを購入していたことも明らかにした。
元少女は高校2年生だった12年5~7月、タリウム入り飲料水を同級生2人に飲ませたとして殺人未遂罪などでも起訴された。弁護側はそれぞれの行為は認める一方、元少女の精神面に重い障害があるとして「責任能力はなく無罪」と訴えている。