倉本洋容疑者
中堅ゼネコン2社との共同研究をめぐり、大阪府警が収賄容疑で逮捕した大阪大大学院工学研究科教授の倉本洋(ひろし)容疑者(57)=兵庫県宝塚市=について、府警は6日、大学の研究費約1千万円を、無断で実施した2社との共同研究に不正流用したとして背任容疑で再逮捕し、発表した。研究経費計約1400万円を、2社から不正に受領したとする新たな疑いも浮上した。
阪大院汚職、金の管理は教授任せ 産学連携が落とす影
共同研究で便宜図り収賄容疑、大阪大院教授を逮捕
捜査2課によると、倉本容疑者は2013~16年度、大学の規定に反して無届けで、贈賄側の「東亜建設工業」(東京都新宿区)、「飛島(とびしま)建設」(同千代田区)と鉄筋コンクリートの柱や梁(はり)の耐震性能を調べる共同研究を実施。別の研究用に大学が支給した経費を、これに不正流用した疑いがある。大学には別の研究用の「試験体(実験資材)製作費」と申請。鉄筋コンクリート製の柱や壁を発注していた。
阪大の規定では、届け出た正規の共同研究の経費は企業に請求でき、大学は原則、負担しない。寄付金は、教職員が企業から寄付を受けた場合、大学に寄付して大学の資金にすると定めている。
捜査関係者によると、両社は1…