トランプ米大統領は27日、メキシコのペニャニエト大統領と約1時間、電話で会談した。両首脳は今月末に会って会談する予定だったが、国境の壁の建設費用をめぐる問題で中止になっていた。メキシコ政府によると、電話会談では壁の建設費用に関して「これ以上、公のテーマとしないことで合意した」という。
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トランプ氏は25日にメキシコ国境に壁を建設する大統領令に署名し、建設費用をメキシコに弁済させると主張。トランプ氏が「費用を払わなければ、会談をキャンセルした方がいい」と挑発し、メキシコ側が猛反発して月末の首脳会談が取りやめになった。
ホワイトハウスは声明で電話会談について、麻薬や銃の密売への対策での協力や、対メキシコの貿易赤字などについて話し合ったと説明し、「二国間関係に生産的で、建設的な電話だった」とした。ただ、壁の建設費用の支払いについては立場に明確な違いがあるとし、「他の様々な議題での包括的な議論を通じて、両者の違いを解決していくことで同意した」とするにとどまった。
トランプ氏は27日の記者会見で電話会談を「非常に友好的だった」としたものの、米国の雇用がメキシコによって失われ、国境が緩いため麻薬が流入していると主張。そのうえで「我々は公平で新しい関係の構築に向けて協働していく」とし、「貿易協定や他の面でもメキシコと再交渉する」と述べ、北米自由貿易協定(NAFTA)を再交渉する方針を強調した。