米商務省が7日発表した2016年の貿易統計によると、モノとサービスの取引を合わせた貿易赤字は、国際収支ベース(季節調整後)で5023億ドル(約56兆円)となり、前年より0・4%増えた。日本とのモノの取引の赤字額は689億ドルで、貿易赤字相手国では日本がドイツを抜き、中国に次いで2位となった。トランプ大統領は貿易赤字を問題視しており、10日の日米首脳会談でも議論される見通しだ。
米国の貿易赤字は3年連続で増えた。輸出額は前年比2・3%減の2兆2094億ドル(約247兆円)、輸入額は同1・8%減の2兆7117億ドル(約304兆円)だった。モノの取引は赤字だが、金融などのサービス収支は黒字となっている。主な貿易赤字相手国では、前年首位の中国と2位のドイツは赤字額が減ったが、日本はほぼ横ばいだった。対日赤字のうち自動車関連は526億ドルにのぼり、8割近くを占める。
昨年の大統領選でトランプ氏が勝利した後、新政権が大規模な景気刺激策に踏み切るとの観測から、金利が上昇してドル高が進み、輸出の足かせとなっている。今後、ドル高がさらに進めば、トランプ氏が懸念する貿易赤字が増えるおそれもある。(ワシントン=五十嵐大介)