大宏池会構想をめぐる構図
麻生太郎副総理は9日、甘利明・前経済再生相ら5人の麻生派入会を正式に決めた。党内第4派閥となり、旧宮沢派(宏池会)の流れをくむ岸田派、谷垣グループと再結集する「大宏池会」構想や山東派との合流話も再浮上。来年の党総裁選や「ポスト安倍」をにらみ、党内の台風の目となる可能性がある。
麻生氏は9日の麻生派(為公(いこう)会)例会で、甘利氏らを紹介。「為公会としても幅が広がる。ど真ん中で、我々が政権を支えていく」とあいさつした。
甘利氏の入会は、安倍晋三首相が昨年末、麻生氏との会食の席で要請した。麻生氏は神奈川県選出議員のうち麻生派が6人いることを踏まえ、「11人になってしまいますよ」と言いつつも入会に同意した。この場には、神奈川選出の菅義偉官房長官も同席していた。
2012年末の政権復帰後、麻生、甘利、菅の3氏が閣内で安倍政権を支えてきただけに、現金授受問題で昨年1月に閣僚を辞任した甘利氏の復権が首相らの念頭にあるのは明らかだ。
一方、麻生氏にとっても数が増えるメリットは大きい。6日夜には麻生派幹部が東京都内で岸田派(宏池会)、谷垣グループの中堅幹部と会談。これに山東派幹部も入って派閥再編について意見交換した。この3派閥・1グループが合流すれば、党内の4分の1を占める100人規模となり、首相の出身で最大派閥の細田派と肩を並べる。
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