米国の原子力事業で巨額の損失計上を見込む東芝が、米国で原発の建設工事を手がけるグループ会社の売却を検討していることが分かった。巨額損失の再発防止策の一環。14日に発表する昨年4~12月期決算は、純損益の赤字が4千億円規模に膨らむ見通しだ。
特集:東芝の巨額損失問題
東芝が売却を検討しているのは、米原発子会社ウェスチングハウスが2015年末に買収したCB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)。米国での原発4基の新設で建設工事を担当し、買収後に巨額の追加費用が発生。東芝が巨額の損失計上を迫られる原因となった。
東芝の綱川智社長は、今後の原発受注では設計や原子炉の製造・納入などに専念し、コストが見通しにくい建設工事から手を引いて「リスクを遮断する」と表明しており、この方針のもとで、建設工事を手がけるS&Wの売却も検討を始めた。売却先には、米国の建設大手などの名前が挙がるが、継続中の工事もあり、すぐに売却できるかは不透明だ。
東芝は13日、昨年4~12月…