公式練習で調整するネーサン・チェン=遠藤啓生撮影
フィギュアスケートの四大陸選手権は16日、2018年平昌五輪のプレ大会として韓国の江陵アイスアリーナで開幕する。優勝候補の羽生結弦(ANA)や宇野昌磨(中京大)ら日本勢と上位を争うのが、若手で成長著しいネーサン・チェン(米国)と、ベテランのパトリック・チャン(カナダ)だ。
羽生結弦、五輪会場でほぼ完璧な演技 四大陸公式練習
男子は羽生、女子は若手軸に優勝争いか 四大陸選手権
フィギュア特集 Kiss and Cry
先月の全米選手権で初優勝した17歳のチェンは、羽生のことを「僕にとってアイドルのような存在。一緒に滑るということを名誉に感じ、すごくワクワクする」と話す。
憧れの羽生をジャンプ力で超えようとしている。羽生がフリーで跳ぶ4回転は、ループとトーループ1度ずつ、サルコー2度。それに対してチェンは、全米選手権のフリーでルッツ、フリップ、サルコーを1度ずつ、トーループを2度、成功させた。四大陸ではサルコーを外す予定だが、それでも高得点が狙える構成には変わりない。
一方、ソチ五輪銀メダリストで26歳のチャンは若手の脅威を意識しつつ、「私ができることに集中する」と話す。フリーの4回転は、トーループ2度とサルコー1度。ただ、体重移動とエッジを傾けて大きく滑るスケーティング技術は羽生よりも上で、ミスのない演技をすれば高得点を出す可能性がある。
羽生は「限界のプログラムに挑戦している方々を尊敬しているし、感謝の気持ちでいっぱい」。ライバルとの対戦を楽しみにしている。(後藤太輔)