福島県いわき市消防本部の30代の男性救急救命士が昨年12月、自宅で消防職員ら4人と飲酒した際、酔って嘔吐(おうと)した消防職員1人に注射針で点滴をしていたことがわかった。点滴は医師の指示のもとに行うと定めた救急救命士法に違反している可能性があり、消防本部が処分を検討している。
消防本部などによると、救急救命士は非番で、夕方から同僚とともに市立病院の女性看護師らと懇親会を開催。午前0時ごろから、自身のアパートで男性消防職員2人と看護師2人の計5人で飲んでいたという。
その後、消防職員が嘔吐し、救急救命士が点滴したという。「酔いを覚ませてあげようと思った」と説明したという。点滴で水分を補充し、血中のアルコール濃度を下げようとしたとみられるという。いわき市によると、同席した看護師の一人も注射針を刺したことを認めており、違法行為の疑いがあるとして、市が詳しく事情を聴いている。
消防本部は、点滴用の注射針と輸液セットを業務外で持ち出すことを禁じていたが、救急救命士は無断で携行していたという。