25日、ソウル市内で開かれた朝鮮戦争開戦68周年の式典でもくとうする参加者たち=東亜日報提供
韓国と北朝鮮は25日、朝鮮戦争の開戦68周年を迎えた。南北は軍の通信回線を復旧させる実務協議を行い、鉄道連結などをめぐる新たな協議の日程も発表。北朝鮮はこの日を「米帝反対闘争の日」とこれまで位置づけてきたが、今年は非難の論調が消えた。
入隊した北朝鮮軍、渡されたのは竹や石 朝鮮戦争68年
韓国国防省によれば、南北は、朝鮮半島の西側にある韓国・南北出入境管理事務所で軍事通信回線の復旧を話し合った。今は1回線しかないが、過去に最大で9回線あった状態まで復旧させることで合意した。
韓国統一省は、南北間の新たな対話の日程を明らかにした。26日に鉄道連結、28日に道路連結、7月4日に北朝鮮の荒廃した山林復旧の実務協議を、板門店などで行う。4月の南北首脳会談での合意を実現し、朝鮮半島に平和体制の基礎をつくるためとしている。
韓国の各地では、記念式典も開かれた。李洛淵(イナギョン)首相は、ソウル市内で開かれた式典で、「(南北の軍事境界線近くに展開する)長距離砲を後方に移すことが議論されている」と明らかにした。国務総理室によれば今後、北朝鮮側に打診する方針だという。
朝鮮通信によれば、北朝鮮の労働新聞(電子版)は25日付で、朝鮮戦争に関する7件の記事を載せた。米国を名指しで非難せず、「米帝」の表現も使わなかった。北朝鮮は昨年まで同日に大規模な反米市民大会を開催。国営メディアは、米国を非難する社説や記事を掲載していた。(ソウル=牧野愛博)