削除業者の宣伝の例
東京地裁は20日の判決で、ネット上の中傷記事などの削除を請け負う会社の行為は違法との判断を示した。判決では、記事を掲載するサイト運営者への削除要請は本人か代理人の弁護士にしかできないとされたが、本人に代わって脱法的な手法で請け負う「削除ビジネス」が横行している。
ネット記事削除ビジネスの違法性認定 東京地裁
■削除の求め急増
判決や取材によると、原告が学生だった11年前のトラブルをめぐる中傷記事がネットで拡散。2012年時点でも検索結果に表示されたため、「誹謗(ひぼう)中傷クリーニングをします」などと宣伝していた東京のネットサービス会社に削除を依頼し、報酬約50万円を支払った。
その際、この会社が使ったのは「削除ビジネス」を掲げる業者の多くが手がける方法だった。
会社の担当者は、中傷記事を掲載していたサイトの運営者に対し、原告の名前で「内容が個人を中傷するものなので、削除をお願いします」といった依頼を専用フォームやメールで送信。大半の記事は実際に削除されたが、一部のサイト運営者は削除に応じなかった。不満を感じた原告は、この会社との契約は無効として訴えていた。
削除業者が横行する背景には、ネット情報の削除を求める人や企業が増え続けていることがある。検索大手ヤフーが昨年4~8月に受け付けた削除申請は2581件で、うち約4割の削除に応じたという。
全国の法務局などに寄せられた…