月面探査車の名前「SORATO」発表の会見後、写真撮影する「サカナクション」のメンバー(右5人)、HAKUTO代表の袴田武史さん(左から2番目)、KDDIコミュニケーション本部長の山田隆章さん=21日、日本科学未来館、金居達朗撮影
世界初の民間による月面探査を目指す日本のHAKUTO(ハクト)プロジェクトは21日、探査車SORATO(ソラト)をロケットで打ち上げる資金の一部にあたる3千万円を朝日新聞社のクラウドファンディグ「A―port」(エーポート)で広く一般から集め始めた。「みんなに仲間になってもらう」(プロジェクトの袴田武史代表)という狙いだ。支援者はその金額に応じ、探査車への名前刻印などの「リターン」が受けられる。
特集:HAKUTO
クラウドファンディングサイト「A―port」
探査車の打ち上げと月面着陸は、競争相手でもあるインドチームのロケットと月面着陸船に相乗りし、コスト削減を図る。それでもプロジェクトに必要な総額十数億円の大半が打ち上げ費用だという。
HAKUTOはこれまで、KDDI、日本航空などの協賛企業や有志から資金を集めてきた。袴田代表は、残りの必要資金の一部をクラウドファンディングで集めることで、「HAKUTOのことをよりよく知ってもらいたい」とPR効果にも期待する。HAKUTOの挑戦に支援者それぞれの挑戦を重ねてもらい、「(支援者の)チャレンジの後押しにもなるといい」と語る。
A―portの支援額に応じたリターンは計16種類。支援額別のリターンの例は次のとおり。
【3千円】HAKUTOメンバー一同の寄せ書きとA―port支援者限定のPC壁紙写真
【1万円】右記リターンに加えて月面探査機「ローバー」に名前を5文字刻印し、刻印箇所の写真つき証明書を発行(刻印文字数は2万円で10文字、10万円で15文字になる)
【1万5千円】右記の「3千円」リターンとHAKUTOクルー入会セット(半袖ユニホームつき)に加え、地上での検証に使われたセメダイン接着剤のセットかスズキの探査車ミニチュア
【2万円】サカナクションのサイン入りオリジナルTシャツとHAKUTOクルー入会セットなど。