報道陣に公開された顔認証ゲート=2018年6月8日午前11時10分、成田空港、黒川和久撮影
法務省は、成田空港の日本人の入国手続きで導入する「顔認証ゲート」を8日、報道陣に公開した。パスポートから読み取った顔写真と、ゲートの内蔵カメラで撮影した顔写真を照合する仕組み。11日から第2、第3ターミナルで計15台、18日からは第1ターミナルで16台の運用を始める。
羽田空港では昨年10月から日本人の入国手続きで3台の運用が始まっている。同省は今年度、成田や羽田のほか、中部、関西、福岡各空港での出入国手続きに導入を広げ、計137台を設置する計画。いずれも対象は日本人に限り、事前の利用登録は不要だ。
入国審査ではこれまで、各ゲートの審査官が旅客を1人ずつ確認していたが、顔認証ゲートの導入で1人の審査官が複数のゲートを同時にチェックできるようになる。日本人の入国審査を省力化することで、2020年東京五輪・パラリンピックに向けて増加が予想される訪日外国人の入国審査に多くの審査官をあてられるという。
成田空港では入国手続きで計31台、10月以降に導入を予定する出国手続きで計30台を設置する。同省職員の実演では、パスポートの顔写真を読み取り機にかざした後、内蔵カメラがあるミラーの方を向いて顔写真を撮影。約10秒で認証が終わり、ゲートが開いた。
同省は外国人の入国審査の待ち時間を20分以内とする目標を設けているが、成田空港での達成率は約7割という。東京入国管理局成田空港支局の丸岡敬次長は「できる限り100%に近づけるよう努力したい」と話した。(黒川和久)