新型コロナウイルスによる肺炎が世界的に大流行し、中国がその最初の打撃を受けた。これにより我々は他国よりも早くこの感染症を認識する機会ができた。我々の新型コロナウイルスに関する認識は中国に科学的根拠を提供しただけでなく、世界の感染対策にも科学的根拠を提供した。
中国の感染対策の経験をまとめてみると、「感染源遮断、マスク着用の徹底、レベル別治療」だ。
◆中核的な経験:感染源と感染しやすい人との切り離し
24日の国務院共同感染対策メカニズム記者会見にて、中国疾病予防管理センターの呉尊友研究員は「本日午前、私は外交部(外務省)と中南米25カ国との交流に参加した。先週には80数カ国と経験を交流した」と述べた。
呉氏は、「我々の新型コロナウイルスによる肺炎に対する認識はまだ限られているが、感染症への対策は感染源、感染経路、感染しやすい人という3つの点を行う。感染源を発見してから隔離・治療を行う。マスクの着用、こまめな手洗い、換気などの措置により感染経路を遮断する。春節連休の延期、人と人の間の一定距離の維持などにより、感染しやすい人を保護する。この3つのうち最も重要なのは、感染源と感染しやすい人を切り離すことだ。これは基本的な原則であり、他国も異なる文化的、政治的背景に従い、自国の状況に基づき調整し応用できる」とした。
◆マスクを着用しなければならない理由は?
欧米諸国は最近、健常者のマスク使用を推奨しないとするメディアの報道がある。呉氏は「新型コロナウイルスの感染力は潜伏後期及び臨床症状前期が最も強い。つまり、健常者が潜伏後期の患者に遭遇した場合、無症状でも感染を広げることがある。これは健常者のマスク着用を推奨する理由だ」と指摘した。
ウイルスは主にどの場所に潜んでいるのだろうか。医療機関及び新型肺炎患者の家が最も危険だ。さらにエレベーターや公共交通機関など密閉された環境だ。そのため一般人は家や広々とした屋外でマスクを着用する必要はない。人が密集する場所に行くならばマスクを準備し、人が密集する場所に着いた際や、人と近距離で接触する際にマスクを着用して保護すれば良い。
◆経験でもあり教訓でもあるレベル別の治療
患者の状況に応じレベル別、類別で治療を行うことは、今回の非常に重要な経験だ。現時点で我々の経験は次の通り。軽症者の集中的な収容・治療によって隔離を行う。患者のバイタルサインのみをモニタリングし、症状に変化が生じ次第直ちに転院する。重症・重篤者については指定医療機関で治療を行う。致死率が高く、症状が急激に悪化するため、レベル別の治療が極めて重要だ。
他国でも現在多くの感染者が出ている。北京大学第一病院感染科主任医師の王貴強氏は、レベル別の治療を強調すべきと提案した。軽症者が病院のベッドなどの医療資源を占用し、重症・重篤者などのより積極的な治療を必要とする患者が速やかな治療を受けられず、致死率が上がるためだ。これは我々の一つの教訓だ。
しかしすべての患者にとって酸素治療が非常に重要だ。患者の肺はすでに正常に機能しなくなっている。重傷者については呼吸支援が非常に重要だ。深刻な場合は酸素吸入だけでは問題を解消できず、痰を取り除き気道の通りをよくし、人工呼吸器をつける。そのため酸素治療と呼吸支援は治療における非常に重要なサポート手段だ。現在は致死率が明らかに下がっているのは、レベル別の治療が非常に積極的な役割を果たしているからだと言える。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年3月26日