一部が再開された動植物園でヤギとふれ合う子どもたち=25日午前10時50分、熊本市、福岡亜純撮影
熊本地震の影響で休園中だった熊本市動植物園(同市東区)が25日、約10カ月ぶりに一部で再開した。6636人が訪れ、久々の歓声が響いた。
公開された動物は被害が少なかった同園南側の28種。モルモットやヤギなどに触れられる広場周辺は親子連れであふれ、羊に触った子どもたちが「さらさらしてる」と声を上げた。昨年9月に生まれたマサイキリンのオス秋平(しゅうへい)も初公開。祖父母と来園した熊本市南区の小学2年、橋嶋泰佑くん(8)は「クマやサルが見られなくて残念だったけど、キリンのベロが長くてすごかった」。
同園では昨年4月の地震で地割れや断水が発生。檻(おり)に隙間ができ、一部の猛獣は県外に移送された。園内では今も修復作業が続く。
この日、象舎でガイドをした飼育員の北川勇夫さん(38)は、象1頭で1日約100キロの餌を食べると説明。驚いた子どもを見て、「やはり反応があるとやりがいがある」と話した。
当面は土日祝日の開園で入場無料。復旧費用に充てるため、同園は南門で「復興応援サポーター」を募集している。5千円以上寄付した個人と2万円以上の団体を見学会に招待し、個人には缶バッジや象のふんで作ったはがきなど職員手作りの記念品を贈る。(沢田紫門)