熊本市の北口和皇(かずこ)・元市議が27日、地方自治法の定める「兼業の禁止に抵触した」として議員資格がないと決めた市議会の決定を不服とし、熊本県知事に決定取り消しの申し立てを行うと明らかにした。福岡市の弁護士会館で会見した。
熊本市議、兼業禁止抵触で失職 市議会が決定、争う方針
熊本市議会調査特別委員会は、北口元市議が代表理事だった市漁協が事業収入の半分以上を市から請け負っており、北口元市議が市側に不当に働きかけていたとする調査結果を市議会に報告。これに対し北口元市議は「請負にはあたらず、不当な働きかけなど行っていない」と反論したが、26日の本会議では全会一致で議員資格が無いとする「資格決定書」が議決された。
弁護士と同席した北口元市議は、暴言とされた過去の発言について「今思えば興奮して口調が荒くなったり、場をわきまえず怒ったりしたこともあった」と述べた。一方で「市民のために行った市職員への意見や叱咤(しった)について、特別委や市議会は不当要求と決めつけた。不当要求をしたことは一度も無い」と述べ、全面的に争う姿勢を見せた。
北口氏は当選7回。これまで市職員への暴言などがたびたび問題視され、熊本市の不当要求行為等防止対策会議で、2010~16年度に計28件の不当要求行為があったと認定された。市議会や市政治倫理審査会は失職までに計4回の辞職勧告を出していた。(神崎卓征)