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慈恵病院、内密出産制度の導入検討を発表

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内密出産導入の検討を表明する蓮田太二理事長(左)と蓮田健副院長=16日午前8時、熊本市西区の慈恵病院、山田佳奈撮影


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熊本市の「慈恵病院」は16日、母親が匿名で出産して、子どもは後に出自を知ることができる「内密出産制度」の導入を検討していることを正式に発表した。今月11日に熊本市に実現への意向を伝え、来年1月をめどに同市と会合を持つ予定という。


「内密出産」制度なぜ検討か 予期せぬ妊娠、孤立する母


蓮田健副院長は記者会見で、内密出産制度について「過去10年間の経験で技術的には可能と思っている」と説明。懸念する点として子どもの戸籍登録を挙げ、「法の解釈でできるのではないか。行政に問題点を聞き、打開の方法を探ることから始めたい」と語った。10年前に設置した匿名で赤ちゃんを預かる「こうのとりのゆりかご」が法解釈で実現したことにも言及し、「内密出産のほうがハードルは低い」と述べた。


自宅出産などで母子が命の危険にさらされるケースがあるため、蓮田太二理事長は「早い段階で行えるようにしたい」。そのうえで法解釈による運用では自治体によって判断が異なる可能性に触れて「国による法整備も必要」と訴えた。蓮田副院長は出産時の家族の同意や出産費用の問題も課題として挙げた。


また「こうのとりのゆりかご」については、内密出産制度が実現した後も複数の選択肢を示せるように運用を続けるとした。


内密出産制度は子どもの出自を知る権利を担保しつつ、母親が匿名で出産できる仕組み。ドイツでは法制化され、2014年から実施されている。(沢田紫門)



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