東京・霞が関の文部科学省
中学3年を対象に文部科学省が行った2016年度の英語力調査で、「話す」の項目について教員の採点を検証したところ、5~7割の高い割合で間違っていたことがわかった。一体なぜ……。
中3英語「書く」は目標達成 英検3級レベルの生徒割合
文科省は19年度から、中3の全国学力調査の対象に英語を加え、「読む・聞く・書く・話す」の四つの技能について調べる。「話す」について教員が面接し採点する方法が可能かどうか調べるため、今回の調査対象579校から学力のレベル別に3校を選び、外部業者が採点結果を検証した。採点の確認は、生徒の解答を録音したICレコーダーをもとに行った。
「話す」の問題は、音読や即興の質疑応答など五つに分かれ、教員は採点基準などを解説したDVDを見て採点することになっているという。
間違いが多かったのは「音読」(配点2点)で、136人分の採点結果のうち72%の98人分が間違っていた。本来は「0点」となるべき生徒は、正しくは62人だったが、教員が0点としたのは6人に過ぎず、1点が44人、2点が12人だった。
また、「1点」とすべきは64人なのに、教員が1点としたのは22人。2点が42人おり、1段階高く評価する傾向が見られた。
五つのうち最も間違いが少なかった「文法・表現」でも、50%の68人分が正しく採点されていなかった。
こうした採点の誤りについて、調査に立ち会った文科省の担当者は「黙ってしまったりうまく話せなかったりする生徒に、多くの先生が助け舟を出していた」と話す。先生の中には「生徒が自信を失ってはいけないと思い、0点はつけられなかった」と明かした人もおり、教員の生徒への「励まし」が影響している可能性が高い。
文科省の専門家会議メンバーの…