起訴の手続きを終えて裁判所を出るドアン・ティ・フォン被告(中央)=1日午前10時45分、クアラルンプール近郊、平賀拓哉撮影
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏が殺害された事件でマレーシア検察が1日、実行犯とされる女2人を殺人罪で起訴した。だが、主犯格とみられる男4人の容疑者の引き渡しに北朝鮮が応じる気配はなく、真相解明には難題が立ちはだかる。
正男氏殺害、殺意など焦点 容疑の女2人を起訴
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暗い表情で、髪は乱れ、目を赤くしたインドネシア国籍のシティ・アイシャ被告(25)。落ち着いた表情で傍聴席に向かって笑顔さえ見せたベトナム国籍のドアン・ティ・フォン被告(28)。殺人罪に問われた2人の姿は対照的だった。
裁判所前に先に姿をみせたのはフォン被告。1日午前9時半ごろ、武装警官に囲まれる物々しい雰囲気の中、黄色いシャツを着て右手で顔を覆いながら裁判所の建物へと入った。約10分後に赤いシャツ姿のシティ被告が続く。裁判所を後にする際には、2人は防弾チョッキを着用していた。
法廷では、まずシティ被告が証言台に立った。検察側が「2月13日、クアラルンプール国際空港の出発ロビーで被害者を殺害した」と読み上げると、シティ被告は首を振った。裁判官の指示で通訳が起訴内容を伝えると、黙ってうなずいた。
起訴状で検察側は両被告が「ま…