日本代表にとって、過去3回のWBCとは違いがある。初戦から難敵とぶつかるのは、今回が初めてだ。
特集:2017WBC
第1、2回大会は中国に快勝し、第3回大会はブラジルに逆転勝ちした。相手は格下で、勝ちを弾みにして大会に入っていけた。
今大会初戦の7日は、いきなりのキューバ戦。かつての野球強国も、大リーグ入りを目指して亡命する選手が後を絶たず、チーム力の低下が伝えられている。ところが、その穴を埋める新しい芽も育っている。
マルティ監督が「若い力の象徴」と語るのが19歳のセスペデス。「9番右翼」で先発した3日のオリックス戦は無安打も、振りは鋭く俊足、好守も見せた。兄は大リーグ・メッツの主砲で、スター性も共通する。「1番中堅」のサントスは六回、遊ゴロと思われた当たりを内野安打に。29歳ながら主要大会には出ていない無名の選手だ。「あの足は警戒」と、小久保監督。
打線全体は本調子ではなさそうだが、不気味さは漂う。日本はこの日のように主導権を渡すと、苦しい展開を強いられるだろう。(伊藤雅哉)