大阪国際がんセンター=3日、大阪市中央区、筋野健太撮影
西日本で最も入院患者数が多い大阪府立成人病センターが老朽化にともなって移転し、名称が「大阪国際がんセンター」となって25日にオープンする。新病院は大阪城のすぐ西側で、病室の面積を1・5倍に広げるなど、治療だけでなく「患者の満足度」にも力を入れるという。
新病院は地上13階、地下2階建てで、総事業費は約290億円。手術室を9室から12室に、外来で抗がん剤治療をする場所も20床から34床に増やす。多方向から高い精度で放射線を当てる「強度変調放射線治療」(IMRT)ができる装置を3台備え、隣に建設中のがん細胞以外の正常な細胞を傷つけにくい重粒子線治療ができる施設とも連携する。
府立成人病センター当時のがん入院患者数は年間約8千人で、近畿を中心に中四国や関東など全国から患者が集まった。新病院では、病床数は500病床と変わらないものの、2014年度に84・5%だった病床利用率を20年度に95%に高める計画だ。そのために医療設備だけでなく、病室やソフトの水準も高めた。
茶色いじゅうたんに木目調の壁、ベッドの横にはゆったりしたソファが並ぶ。大きな窓からは大阪城が一望できる。新設する特別病室は広さ27~45平方メートルで高級ホテルのようだ。11室がこの仕様で料金は1日3万2400~5万9400円。高額な特別室を完備する患者数が全国最多のがん研有明病院(東京)や国立がん研究センター中央病院(東京)などに合わせた形だ。
このほか、4人部屋の一般病室…